第2章 【赤黒黄】覗き見【緑】
「涼太、テツヤをイかせろ」
「はぁ?!」
腕組みをしながらサラッと言ってのけた赤司に、俺の周りだけ時が止まったかのような衝撃を受けた。
イクの意味が最初わからなかったが直ぐに理解。
状況判断というやつで。
ただそんな事をこんな場所でやらせる事については理解不能だ。
「何で俺がやらなきゃならないんスか!」
「涼太」
「うっ!」
抗議する黄瀬。
大人しく頷かないからか、赤司は黄瀬の鎖だけを引いて自分に近付けた。
「やるだろう?」と、静かに低く声を出した赤司に黄瀬は青ざめて首を縦に振る。
これ以上は見てはいけないと自分が自分に訴えてくる間にも、黄瀬が嫌がる黒子のアレを掴む瞬間を目で捉えてしまった。
「やめてください黄瀬くんっ……」
「しょうがないじゃないっスか……!赤司っちには逆らえねぇっスよ……!」
「けどこんな事……っ」
なんとも異様な光景。そしてどういうわけか興奮する。
拒否しているのに息を上げてしまっている黒子が、なんだか可愛く見えてしまう俺は異常なのだろうか。
(黒子が可愛いなどありえないのだよ!)
またもや首を左右に思いっきり振り、目を強く瞑って中を見ないよう無駄な努力をする。
今の俺は冷静ではない。
視界を閉ざしたところで聴覚は生きているのだから、黒子の鼻にかかった甘い声が届いてくるのだ。
「んっ……!」という短いものであっても、短い間隔で何回も聞こえてくるとソワソワして落ち着かず……
結局俺は瞼を上げてしまうのである。
「黒子っち我慢汁凄いっスね……よく滑るっスよ」
「みっ、見ないでくださっ……」
「テツヤ、涼太にやられて興奮しているのだろう?」
「っ……!!!うあっ……!」