第2章 【赤黒黄】覗き見【緑】
「……わかりました」
「こ、こうっスか?」
「ああ」
床に膝をつくくらいならまだ簡単だったようだ。
テツヤに続いて涼太も僕より視線を下げ見上げている。
その光景がまるで捨てられた仔犬のようで、自身の身体が騒つくのを感じてしまったが目を瞑った。
今は自分がやる時ではない。
「なら次は服を脱げ」
「えっ……?」
「従ってもらうよ」
身体をチェックする筈もない、もう既に制服に着替えている。
そんな状況で下された次の命令に、首輪をつけられた犬達が揃って困惑の色を見せた。
しかし僕は取り下げなどしない。
二人に極限までの羞恥を与えねば。
これに懲りて試合中にたるまないように。
「どうして脱ぐんですか?赤司くん」
「そ、そうっスよ!意味わかんねぇっス!」
「僕の言うことは絶対だ。例えお前達でも……」
「わ、わかったっスよ!もー!」
本当は脱がし合ってもらおうとしたが手遅れ。
さっさと裸になってしまった方が楽だと感じたのか、涼太は一瞬にして肌を晒した。
それを見たテツヤも同様、静かにシャツを脱ぎ胸を露わにする。
二人の肉体はスポーツをやってるだけあって逞しい。
「脱ぎましたけど……どうするんですか?」
「まさか筋トレさせようってんじゃないっスよね……?!」
直ぐ身体を鍛える方に考えが向いてしまうのは流石といったところか。
だがこれから二人に待ち受けているのはそんな簡単なのもではないだろう。
僕が見ているんだ、羞恥心でおかしくなってしまうのは目に見えている。
「そんな筈ないだろう。僕がお前達にさせたい事は……」