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【恋の乱】才蔵さんがいない夜【裏 R18】

第1章 一人の夜


見られてた???
いつから?

私は体を起こし声のする方に向き直った。
そうすると薄い月明かりの中、懐かしい才蔵さんの顔が薄っすらと見えた。
こちらを向いて片膝を立てて、その膝にあごを乗せて寛ぐように座っている。
その顔は少し意地悪く笑っているように思えた。

「さ、さ、才蔵さん
おかっ、おかえりな、さいっ…」

「俺の名を呼んで、何してたのかきいてるんだけど。」

「な、何も…してません」

才蔵さんはニコッと笑うと、
そのまま四つん這いで私に近づいた。
そして、互いの鼻と鼻が触れそうなくらい顔を近づけてくる。

「嘘、嘘。ひとりでなんかいいことしてたんでしょ。」
私の右手を掴み自分の目の前に持ってくる。

「指、濡れてて…、お前さんの匂いがするね。」

私は途端に恥ずかしくなり、瞬時に顔がこれ以上なく火照る。
そしてその手を振りほどいて素早く才蔵さんから離れた。

「俺がいなくて寂しかった?」
才蔵さんは逃げる私ににじり寄ってくる。
私は後ずさりをしていたが、ついに壁際に追いつめられる。
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