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【テニプリ】桜の木の下で

第6章 【迷い猫海堂ラン!】




 * * *


・・・こ、これは・・・今までにないくらい、さすがにやばいかも・・・。


目の前にあるのは先日行われたテストの答案。


それがここにきて一気に返ってきたのだけれど・・・
いくらなんでも全部赤点ってありえないでしょ・・・


いや、自分に言い訳するわけじゃないけれど、やっぱり毎日忙しすぎて、授業中は居眠り常習犯だし、家庭学習も宿題しかしていないとこういう結果になるのは当然と言うか・・・。


「先生、私はいったいどうすればよいのでしょうか~~~」
「小宮山か・・・お前の場合は・・・課題提出だな」
「ありがとうございます~、次こそは、次こそは必ず、良い点数を・・・とれれば・・・いいな・・・」
「あぁ、そうしてくれ。」


先生は私の家庭の事情を知っているので、一応特別対応をしてはくれている。
でもこのままじゃ、やっぱりやばいよねぇ・・・。
もっと何とかしないとなぁ・・・とは思うんだけど・・・。


「お前・・・これは何の冗談だ?」
「うぎゃぁぁぁぁ!!!」


慌てて自分の答案の上に突っ伏して隠したけれど、時すでに遅しということで・・・
突っ伏したまま海堂を見上げると、それはそれは恐ろしい顔をしているような、哀れな顔をしているような・・・


「テメェ・・・」
「はひぃ!?」
「・・・確か部活をしているわけでもないよな?」
「・・・うん」
「授業中寝てばかりいるからだ」
「・・・おっしゃる通りで・・・」


あぁ・・・違う・・・


この目は・・・


軽蔑だ―――


そりゃ、そうだよね。
努力家を絵にかいたような海堂だもん。
部活もしていない、授業中も寝てばかり、それで全教科赤点ってそりゃ軽蔑もするよね・・・


「は・・・はは・・・」


こんな時ですら、私、笑うしかないんだなぁ・・・。
そんな私に、海堂は冷たく、ぶったるんでる、そう一瞥するとくるりと背中を向けて去って行った。


私だって、私だって・・・本当は・・・
自分の胸の中で、何か黒いものが沸いた気がした・・・


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