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【テニプリ】桜の木の下で

第6章 【迷い猫海堂ラン!】




目が覚めると目の前に海堂がいた。
これは・・・夢の続き?・・・それとも現実?


「ゆ・・・夢?」
「あぁ?まだ寝ぼけてんのか!?」


夢じゃない・・・・?


「こんなところで寝てんじゃねぇ!」
「・・・あ・・・あぁ・・・」


やっと頭が冴えてくる。


「夢でも見ていたのか?」
「もしかして寝言、いった!?」
「ま、まぁな」


やべー・・・私、何を言った??
海堂の夢を見ていた私は、内心すごく焦る。


見ていた夢は夕方の河川敷。
いつものようにすれ違う海堂を見ている夢。
夢にまで見たのは・・・多分気がかりなことがあったから。


最近、いつもすれ違う海堂の様子がちょっと変な気がしていた。
以前は無心で走っていて、ただがむしゃらに、すごい気迫だけが感じられた。


でも最近は・・・部を任されるようになってからは・・・何か苦しんでいるように感じる。
その背中が悩んでるってオーラを出しまくってる。


力になってあげたいのだけれど、私が口を挟める問題ではないだろうし、結局声をかけることも出来ず、毎日その背中を見送るだけなんだけど・・・。


「私・・・何、言った・・・?」


恐る恐る聞いてみる。


「・・・弁当」
「は?」
「俺の今日の弁当はなにかって言った!」


ハア~、良かった~、と胸をなで下ろす。
食い意地のはっている自分に感謝。


「あー、そうそう、気になってたのよね~。」
「テメェには関係ねーだろ!」
「そんなこと言わないで・・・友達じゃない♪」
「あぁ?いつからテメェと俺が友達になった!?」
「まぁ、細かいことは気にすんな」


ぶつぶつ文句を言っている彼の肩をポンポンと叩いて教室に向かう。
すると海堂に、待て、と呼び止められる。


「おい、髪に落ち葉がついてるぞ」
「そう?・・・ここ?とれた?」
「違う、そこじゃねえ・・・」


そう言うと海堂は手を伸ばし、私の髪から落ち葉をとった。
その瞬間、2人の距離がすごく近くて私の心臓がドクンとなった。
頬がカアーッと赤くなるのがわかり、目が泳ぐ・・・。
それに気がついたのか海堂も顔が赤くなる。


「大体、テメェはもう少し女らしくしろ!こんな所で寝るなんて自覚が足りねぇ!」


耳まで真っ赤になってそういう海堂に、ハーイと元気に返事をし、私は教室にむかって走り出した。

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