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【テニプリ】桜の木の下で

第2章 【バカとテストと越前リョーマ】




「ま、どうでもいいけど・・・先輩、このままじゃグラウンド100周&乾汁決定っすね。」
「う゛・・・」


そうなのだ。
男子テニス部は文武両道をモットーにしているので 1教科でも30点以下がある場合はグラウンド100周が伝統なのだ。
しかも今年からは乾先輩の乾汁のおまけ付き。


もちろんマネージャーの私も例外ではない。
今までは何とかそれを免れてきたけれど・・・今回はもうどうしようもないって感じ?


「だから困っているんじゃない・・・」
「・・・誰かに教えてもらったらどうっすか?ここまで酷い点数の人が1人でやってもどうなるものでもないでしょ。」


・・・相変わらずきついわね、でも確かにそうなのよ。
全然解らないから、もうどうしていいかも解らないのよ。
でも、ここまで酷い点数を持って行って、教えてください、なんて友達にも先輩方にも恥ずかしくて言えないじゃない。


「そりゃそうだけど、恥ずかしくて誰にも聞けないから、ああやって1人で頑張ってたんでしょ!!」
「ま、確かにそうっすね・・・。」


あ~あ、もうなんなのよ。
なんでよりによってこいつにばれたんだろう。
人の事、バカにしたように笑ってて本当にムカつく!!


「大体、リョーマくんはなんであんなところにいたのよ?」
「俺、図書委員っすから。」
「あ~、なるほど。仕事の邪魔して悪かったわね。もう戻っていいわよ。っていうかさっさと行って!そしてこのことは誰にも言わないで!」


そういって私はぶっきらぼうに手でシッシと彼を促した。


「別にいいっす、ちょうど交代の時間だったし。それより、誰にも言われたくないわりにはずいぶんな言い方っすね?」


・・・う、こりゃ普段、ちょっと虐めすぎちゃった?
してやったり、みたいな笑顔が憎らしい。


「・・・誰にも・・・言わないで下さい・・・。」
「・・・お願いしますは?」
「お願いします!!!!!もうこれでいいでしょ!じゃね!!」


あぁ、本当に生意気なやつ!!
これ以上馬鹿にされる前にさっさと離れようと彼に背を向け歩き出す。
歩き出したその瞬間、待ってよ先輩、と彼に手をつかまれた。

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