第2章 【バカとテストと越前リョーマ】
「あ~~~~、もう、ぜんっぜんわかんない!!」
図書室で頭を私は抱えてそう叫んだ。
途端、周りの人たちに睨まれ、すみませんと謝る。
もうすぐ中間テスト。
今はテスト準備期間で部活も休み。
私がマネージャーをやっている男子テニス部もそれは例外ではなく・・・
だから放課後、テストに向けて図書室で勉強をしていたのだ。
「小宮山先輩?」
頭を抱えて机に突っ伏していたら声を掛けられた。
この声は・・・テニス部の生意気ルーキー、越前リョーマ?
「・・・リョーマくん?」
「こんなところで何やってるんすか?」
「・・・遊んでいるように見える?」
見ればわかるでしょ?
図書室で教科書とノート開いて頭抱えて・・・テスト勉強です。
しかも行き詰ってるんです。
「ふぅ~ん・・・8点。」
「ぎゃーーーーーーーー!!!!!!」
リョーマくんったらいつの間に!!??
それは私の英語のプレテストの答案。
うちのクラスの英語の先生はテストが近くなると、それさえ出来れば大丈夫というプレテストをしてくれるのだ。
そして英語が大の苦手な私は8点という、すさまじい点数をとってしまったのだ。
私は慌てて彼からそれを奪い取る。
大声を出したものだからまた周りに睨まれる。
居た堪れなくなって、私は荷物をまとめ、彼の手を引っ張り図書室を後にした。
「・・・先輩、どこまで行くんすか?」
彼の言葉で我に返り、慌てて彼の手を振りほどく。
「しかし先輩、意外っすね。」
「・・・え!?」
「バカだったんすね。」
「バ・・・バカ!?」
「英語のプレテストだよね?アレ。俺、8点なんて点数、実際に見たの始めて。」
「う・・・あれは・・・違うの!!」
「違うって何が?」
そりゃそうだ、実際にあんな点数で違うもへったくれもない。
「だ~か~ら~、苦手なのは英語だけなの!他の教科はもっとまともな点数なの!!それに英語だっていつもは30点はとれるんだから!」
「・・・へぇ~。」
「あ、その目は信じていないわね!?順位だっていつもだいたい半分くらいはキープしているのよ!?英語さえなければ中の上も夢じゃないはずだわ!」
そう私は一生懸命弁明したけれど、すればするほどむなしくなった。