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【テニプリ】桜の木の下で

第4章 【タカさんに届け】




「ところでテメェは何をやっている。」
「うん、ちょっと探し物をね。」


そういうと亜久津は足元からテニスボールを拾い上げると、俺に向かって放り投げた。


「テメェが探しているのはこれか?それとも・・・あいつか?」


亜久津の視線の先に目をやると、必死な顔をした璃音ちゃんがこちらに向かって走ってくるのが見えた。



☆ ☆ ☆



教室で河村先輩をカバ扱いしたことに対して自己嫌悪に陥っていると、中庭に河村先輩が見えました。


もう合わせる顔はないですが、こっそり見ているだけならいいですよね?
そう思って覗き見していると、河村先輩と話す他校生がいました。


銀色の髪で、とても怖そうな人です。


こ、これは・・・河村先輩、不良に絡まれているではないですか!
ど・・・どうしたらいいのでしょう・・・
先生に報告・・・いえ、そんな時間ありません!


私が河村先輩を守るのです!!


私は必死に中庭に向かって走り出しました。



☆ ☆ ☆



「河村先輩!」
「璃音ちゃん!?」


私は河村先輩と怖い人の間に両手を広げて立ちました。


「そ、そこの不良さん!河村先輩から、は、離れてください!」
「あぁ?なんだ、てめぇは?」
「そ、そんな顔をしたって、ち、ちっとも怖くなんかないですよ!」


こ、怖いです。
足はガクガク、心臓はバクバクです。
声も震えているし、涙も鼻水も出てきそうです。


でも河村先輩のピンチ、怖いなんて言っていられません!


「か、河村先輩、今のうちに逃げてください!」
「あー・・・あのね、璃音ちゃん」
「さぁ、早く!ここは私に任せて!」
「だからね、璃音ちゃん・・・」


アレ?ちょっと様子がおかしい・・・ですか?
河村先輩と不良さん、妙に落ち着いていらっしゃる・・・?


「あ・・・あの、河村先輩?」
「はい、璃音ちゃん。」
「・・・もしや、お二人は・・・お知り合いですか?」
「はは、そういうことになるかな。」


あぁ・・・やってしまいました。

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