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【テニプリ】桜の木の下で

第11章 【epilogue】




「もうそんくらいにして、大石も一緒に座ろうよ!」
「英二、いや、しかし・・・」
「貸し切りなんだし大丈夫だって!ほーんと、大石は最後まで青学のお母さん、なんだから・・・」


あれほど騒がしかった店内がしんっと静まり返る。
最後か・・・そうみんなが口々に呟く。


手塚はドイツ、越前はアメリカ、大石は他校、タカさんはテニスをやめて修行に励む。
海堂と桃城は中等部で、乾と不二、菊丸は高等部でそれぞれ部活に励むだろう。


進む道はそれぞれ違えど、みんなそれぞれの立場で、それぞれやるべきことをしっかりやっていくに違いない。


「・・・よし、みんな、ここでみんなの前途を祝してもう一度乾杯といこうではないか・・・そこで乾杯と言えばこれ、立海の柳と共同開発したジンジャーエール・・・効果の方は立海で保証済み・・・」
「はいはーい、飲食店に持ち込みはご遠慮くださいね~!」


乾が一見爽やかな、でも恐ろしい飲み物を出し、それをすかさず彼女が却下する。
彼女が出来て以来、乾汁の被害者が激減したともっぱらの噂だ。


「・・・こ、ここはやっぱりわさび寿司といこうか。タカさん、頼むよ。」


そしてみんなにわさび寿司が配られる。
女の子達はそれぞれお茶を用意する。


「よし、マムシ、新部長のお前がいつもの掛け声かけろよ!」
「誰がマムシだ!!・・・ゴホン・・・」


「青学ーーーーーー!!!」


「「「ファイ、オーーーーーーーーッ!!!!!」」」


何処からともなく、柔らかく暖かい風が吹き込んでくる。
沢山の笑顔と、沢山の幸せに包まれている。


大切な仲間と、そして大好きな人が側にいる喜びを、その場の全員が感じて幸せを噛みしめていた。


そんな雰囲気に包まれた店内には、いつまでもみんなの笑い声が響いていた。

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