• テキストサイズ

【テニプリ】桜の木の下で

第10章 【菊丸ステップ】




◆2人のステップ◆


丘の上のコンテナに登り青春台の街を眺める。
ここが俺の一番のお気に入りの場所、そう彼女に話すと、彼女は嬉しそうに笑う。
学校からずっと繋がれたままの手が温かい。


チャララ~~~♪


胸のポケットで携帯が着信を告げる。
ディスプレイには不二の名前。
ちょっとごめん、と彼女に片手で謝って、その電話を受ける。


「ほいほ~い、どったの、不二~?」
『やあ、英二、おめでとう。』
「な、なんでもう知ってんのさ!?」
『クスッ何のことかな?僕は卒業おめでとうって言ったんだけど?』


・・・まーた不二にやられた。


俺は苦笑いをして、で、何の用さ?と話を変える。


『これからかわむら寿司にみんなで集合なんだ、学校で伝え忘れてね・・・』
「これから!?・・・俺はちょっと・・・今回はパス。」


私のことは気にしないで?と彼女が慌ててそう小声で話す。
俺の友人関係を尊重してくれる、彼女らしい気遣いはもちろんすごく嬉しいけれど、今日は時間の許される限り、俺自身が彼女とずっと一緒にいたい。


いいから、いいから♪と俺は笑顔でウインクをし、繋がれた手に力を込める。


『 小宮山さんも一緒においでよ?』
「ほえ?・・・璃音ちゃんも一緒にって・・・でも・・・」


彼女に視線を向けると、とんでもない!と言わんばかりに、大きく手を振り慌てている。
やっぱ彼女にいきなりそれは、ハードル高いよな・・・
不二だってクラスメートなんだから、そんくらいわかんだろ?


『大丈夫、今日はみんな彼女連れだから。』
「・・・は?みんなって・・・」
『卒業の打ち上げと、手塚と大石の送別会も兼ねてね。・・・ついでにキミたちのお祝いもしてあげるから、英二が来なきゃ始まらないよ?』


ついでかよ!と苦笑いで彼女に事情を説明すると、クラスメートの不二の彼女も来るのなら、恥ずかしいけど行っても良いと言うことで、2人で参加の返事をした。

/ 153ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp