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【テニプリ】桜の木の下で

第10章 【菊丸ステップ】




◆学園祭◆


中庭に、落ち葉のじゅうたんが敷き詰められるころ。
受験前の最後の楽しい学園行事、学園祭。


うちのクラスはメイド&執事喫茶。
誰だよ、こんな馬鹿なこと言い出したやつ。
でも、璃音ちゃんのメイド服姿がちょっとだけみたいと思って、無記名投票のときに一票入れたことは絶対内緒だ!


「英二くん、ふわふわオムレツ、2つお願いしま~す。」
「ほいほ~い!任せといてよん♪」


料理が得意な俺は、厨房で料理担当。
璃音ちゃんはもちろんフロア担当。


璃音ちゃんのメイド服・・・じゃない!
ウエイトレス姿、やっぱり可愛い。


「ねぇねぇ、さっきの見た?」
「うんうん、不二くん、格好良かったね~。」
「本当、璃音ちゃんがうらやましい!」


厨房の女の子たちの会話が耳に入る。
不二が格好良くて璃音ちゃんがうらやましい・・・?
なんだよ、それ?


「ねぇねぇ・・・なんのこと?」
「え?不二くんが、ナンパ男から璃音ちゃんを助けたんだよ。」


な、ナンパ??
でも・・・考えたらそうだよな・・・学園祭なんて、他校の男どもはナンパしに来る様なもんだよな・・・
メイド服姿の璃音ちゃん・・・俺だって間違いなくナンパする!


って、あ~~、ちがうだろ!もう!!


俺、なんでこの案に一票入れたんだよ!バカバカ!!俺のバカ!
あの時の俺を本気で殴ってやりたい!!


これ以上璃音ちゃんに悪い虫がつかないように、俺がしっかり守らなきゃ。
不二だけにいい思いさせるわけにはいかないじゃん?
不二!!俺と交代だ!!


「あれ?英二くん、フロアにきたの?」
「うんうん、よろしくねん♪」


あ~、やっぱ璃音ちゃんは可愛いな~!
・・・って、見惚れている場合じゃない!
さ、どこからでもかかって来い!ナンパ野郎ども!!

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