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【テニプリ】桜の木の下で

第10章 【菊丸ステップ】




◆修学旅行◆


中庭の桜の木々が赤く染まる頃。
学生生活最大のビックイベント、修学旅行がやってきた。


行き先は定番だけど京都、奈良!
こう見えても、日本史が得意な俺は、仏閣めぐりとか結構楽しみだったりする。


・・・ま、やっぱり遊ぶほうがメインだけどねん♪


旅行・・・いつもの学校生活とは違う雰囲気で、璃音ちゃんと何か進展があったりして~?


・・・なんて、ちょっと淡い期待もしちゃったりして。


観光地をめぐり、美味しいものを食べ、みんなと沢山笑いあう。
そして一番のお楽しみ、長い夜はお約束の枕なげで盛り上がる。


「ほいほいっとね♪」
「う、英二だ!みんな、英二に集中攻撃だ!!」
「へへ~ん♪まっけないもんねー♪」


青学一の動体視力と、反復横とび学園記録保持者の菊丸様を、みんな、舐めちゃ~いけないよん?
飛んでくる枕を片っ端から受け止めては投げる。


「「おじゃましま~す♪」」


あ、女子が何人か遊びに来たみたいだ。
って、やったね!璃音ちゃんもいるじゃんか!


・・・ってそんなことよりもこのままじゃ!


「させない!!」
「・・・キャッ!」


誰かがなげた枕が璃音ちゃんに命中するその直前、俺は得意の菊丸印のステップで、慌てて彼女に駆け寄ると、彼女に直撃するその瞬間、アクロバティックにキャッチした。


「璃音ちゃん、大丈夫!?」
「うん、ちょっとビックリしただけ。」


ありがとうと礼を言う、璃音ちゃんの笑顔にほっと胸をなでおろすと、しりもちをついた彼女に手を伸ばし、引っ張りおこしてあげる。


ったく、誰だよ、今、璃音ちゃんに枕ぶつけそうになった奴!
この菊丸様が成敗しちゃる!!

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