• テキストサイズ

【テニプリ】桜の木の下で

第10章 【菊丸ステップ】




◆席替え◆


「今日は席替えをするぞ~、くじを引いて番号通りに移動しろー。」


気が付けば中庭の桜も葉桜で、新しいクラスにもすっかり馴れたころ、担任がそんなことを言い出した。


俺の番号は3番・・・ラッキー、窓際!
どうせ座るなら、やっぱり窓際のほうが断然いい。


「やあ、英二。」
「あ、俺の後ろ、不二?」
「そうみたいだね。」
「ラッキー!なんかあったらよろしくねん♪」
「クスッ、授業中寝てたら起こしてあげるよ。」
「そ、その笑顔で言われると怖いな~、もしかしてなんか企んでる?」
「・・・さぁ、どうだろうね?」


イスの背もたれを抱えて座り、不二とそんなたわいも無い話をする。
他のクラスメートもそれぞれに盛り上がっている。


「不二くん、隣、よろしくね。」


こ、この声は・・・
不二と同時に声のほうに目をやると、やっぱり・・・そこにいたのは璃音ちゃん。


「よろしく、小宮山さん。」
「ふふ、不二くんの隣なんて心強いな。」
「それは僕も同じだよ。」


な、なんで璃音ちゃんが不二の隣なんだよ。
席が近いのはうれしいけれど、よりによって不二の隣なんて・・・


「菊丸!いつまで後ろを見ているんだー、前を見ろー。」
「うわっ、やべっ!」


担任に注意されて慌てて前を向く。
前を向いてしまうと、当たり前だけど璃音ちゃんの姿は見えない。
せめて不二と璃音ちゃんが前の席なら、ずっと彼女をを見ていられるのに。

/ 153ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp