第2章 【バカとテストと越前リョーマ】
「生意気で、ムカつくし、人をバカ扱いばっかりするし・・・でも、ま、なんだかんだ言って可愛い後輩かな?」
「ふ~ん・・・」
「あ、それに案外優しいよね!英語も教えてくれたし。リョーマくん、結構しっかり教えてくれるし、みんなも大助かりだろうね?」
「・・・みんなって?」
「やっぱりクラスの友達とかに教えてるんでしょ?」
ふと気が付くとリョーマくんは私のほうをじっと見ていて、 そして私はその目に見つめられるとなんか動けなくなって、そして私も彼から目をそらせなくなった。
「ただの可愛い後輩っスか?」
「え?」
「俺、別に、誰にも英語なんて教えたことないし。」
「・・・そうなの?」
「先輩だからに決まってるじゃん。」
「・・・え・・・?」
「好きでもないやつにわざわざ教えたりしないし。」
私だから・・・?
好きでもないやつに教えない・・・?
・・・それって・・・つまり・・・
リョーマくんは・・・私のことが・・・?
「・・・えぇ!!??///」
「やっと気がついたんすか?先輩ニブすぎ。」
また一陣の風が吹き抜け、桜の木の枝葉を揺らす。
先日の帰り道の時と同じような静寂が二人の周りを包み込む。
そして数秒の静寂を破ってリョーマくんが口を開いた。