第3章 山口忠 〜呼吸を止めて。〜
『あ、、あの、、手、、、』
「わっ!ごごごごめんー!!!つい勢いで!」
『いや、あ、あの、、、手、繋いだままでいい、、、よ?』
私が恥ずかしくて目を逸らしたままそう言うと、山口くんも顔を赤くして下を向いてしまう。
「えっと、、、じゃ、行こっか。」
『、、、うん!』
山口くんと手を繋いで帰る帰り道は、いつもと同じ道なのに、まるで初めて来たみたいにドキドキした。
さっきの大きな交差点から三つ目の信号を右に曲がって、少し歩いたコンビニがある交差点でいつもバイバイする。
歩くに連れて離れがたい気分になって、さみしい気持ちが募る。
私は意を決して、声を出した。
『あ 「あのさ!」
私が声を出したのと同時に山口くんの声が聞こえて、二人してビックリしてお互いを見つめ合う。
『な、なに?』
「あ、あの、、、ちょっと公園寄っていかない!?」
『う、うん!いく!行きたい!!』
ビックリしてつい大きい声を出してしまう。
山口くんも同じ事考えてた!?
もしかして、山口くんも、、、私の事、、
そんな考えで頭はパンクしそうなくらいいっぱいいっぱいになる。
山口くんも同じだったらいいのにな。