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ONE PIECE短編(仮)

第9章 (サンジ、ロー、ゾロ、分岐、後編、一部18禁)



3、海の匂いだった。(ゾロver)


海の匂いが濃い気がして、深呼吸する。

「…っはぁ」
「おう。終わったのか」
「っ?!…あ、ゾロさん」

店のドアから少し離れたところに寄りかかっていた剣士からいきなり声をかけられた。

「どうされましたか?」
「酒、珍しい揃え方をしてたもんだから気になってな」
「あぁ…」

そういえば、三人で注文するときにそんな事を言っていた。

「…よかったら、気になるのがあれば飲まれますか?」
「ありがてぇ。」

言いながら店内にゾロを招く。ゾロはすぐにカウンターに近づき並べている酒を吟味し始めた。
その様子を見ながらりんはドアの札を『close』にしてカギをかける。

(帰るときは裏から出よう。お客様には申し訳ないけど)

「お前が気に入ってるのはどれなんだ?」
「えっ」

振り向きもせずにたずねるゾロ。

「そうですね…ここには陳列してないとっておきが地下の倉にあります」
「ほう?」

ナイショですよ?とりんはつづける。

「特殊なルートから買ったとっておきです。ゾロさんお酒好きみたいですし、飲んでみます?」
「良いな。どのあたりの酒だ?」

地域を聞いてきたのだろうと推測しながら地下に続く通路に向かう。

「ワノ国です」
「…あ?鎖国してて貿易できねーハズだか?」
「言ったじゃないですか。特殊なルートだって」

ニッコリと笑みをつくり、ゾロを振り向く。

「どうぞ?こちらです」






階段を下り、通路の照明を灯す。数歩遅れてついてくるゾロに注意を促した。

「頭、打たないようにしてくださいね」

りんの背にはちょうどのドアを開けて地下倉に先に入る。
壁のスイッチを操作して明かりをつけた。店の十数倍は有るだろう倉の明かりが一斉に光る

「…おい、とっておきはいくつあるんだ」

倉の中を一望したゾロの口の端が微かに上がるのが口調からわかった。

「ワノ国のお酒だけじゃないですよ。花の国の物もあります。ワインも、ウィスキーも、エールも……好きなんです」
「酒がか?店の棚みりゃわかる」

ゾロが倉に入り、棚の間をキョロキョロとしながら歩く。
そのうちにりんは部屋の隅に備え付けてある棚から杯を用意し、キッチンで飲む準備を始めた。
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