第9章 (サンジ、ロー、ゾロ、分岐、後編、一部18禁)
途中、ぐいと腰を引き寄せられたので慌てる。
「ちょ、サンジさん?!」
「しー」
そのままの状態で自宅につき、カギをあける。ドアを開けて振り向くとせかすようにサンジは言った。
「はいって!内側からカギかけるまでここにいてあげるから」
「えっと…その……よかったらお茶でもお礼に…」
送るだけ送らせておいて礼をしないのはまずかろうと誘うと、サンジは嬉しそうに
「ほんと?!わくわくするなー、おじゃまします」
「汚い所ですが…」
りんが招き入れる瞬間、サンジがりんを正面から抱き寄せた。
「な、んですか?!」
「しー。おれの肩越しに見て。向こうにいるの知り合い?」
ちらりとサンジが顎で差した方をみると遠くに人影がある。遠いので人相が不明瞭だが体格からして知り合いではない。りんが首を小さく振るとサンジは抱きしめたままドアを開けて素早く中に入りカギをかけた。
「…心当たりもない?」
「…ないです」
「りんちゃん抱き心地いいね。しばらくこのままでもいい?」
(いままでの話の流れは?!)
りんが驚いているとニカッと笑ったサンジは
「送ったご褒美としてさ?」
「えっ?」
「それとももっといいご褒美くれる?」
「…」
「黙ってるともらっちゃうよ?」
サンジの右手がりんの頬に添えられ、顔がちかづく。りんが思わずぎゅっと目を瞑ると
「…りんちゃんさ、流されやすいって言われない?男としては嬉しいんだけどさ」
「…サ、ンジさんなら、流されても良いかなって…」
「ホント?じゃあ最後までそのまま流されて」
カーテンの隙間から日の光が差し込む。二人の服が寝室まで点々と脱ぎ散らかされていた。
サンジは寝室をでると自身の下着とスーツのズボンだけ拾い上げ身に付けた。そしてりんの服を回収して畳む。
キッチンに行って勝手ではあるが軽い朝食を作る。
準備が出来たところでりんを起こしに寝室へ戻った。
顔にちょうど朝日がかかり眩しそうに眉をしかめて寝ているりんをみて微笑ましくなるのと同時に
シーツからのぞく何も身につけていないだろうと連想される肩に昨夜の情事を思い出す。
「りんちゃん、起きれる?」
「…んむ…もうちょっと…」
「君の寝顔もいいけど、笑顔が見たいな」