第2章 2
2コールしてから電話が取られる。
「もしもし。ジュンだけど。久しぶり」
『あら?久しぶりじゃない。帰ってたの、誰から聞いたの?』
「さっきたまたまあった右京にね。…ね、今夜空いてない?」
『今夜?空いてるわよ』
「そっか。今日そっちいってもいい?」
『…それは、俺は男として会えばいいの?』
男の声で光が言った。
きっと、声のトーンでばれているのだろう。
「うーん。それも悪くないけど、そこまで不純になれないみたいよ?」
『そ。じゃあ今夜は女子会ね。
フランスからいいワインを送ってもらってね。
ちょうどいいからいっしょに飲みましょ。楽しみにしてるわ』
「うん。ありがと。畑終わって準備できたら適当にいくね」
『ええ、いつでもいいわよ。じゃ、また後で』
「またねー」
電話をきって、小走りで家に向かう。
作業着に着替えて畑の草むしりと水やりを超特急で終え、シャワーを浴びて汗を流す。
適当な格好で光に会うと怒られるので
そこそこ小綺麗にして、手土産のイチジクを数個袋に詰めて光の部屋に向かった。