第2章 2
静かに部屋を出て、帰路につく。
これでよかったのだろうか?
わからない。
よくない気もするし、よかった気もする。
やさしい光のことだから、
またその優しさに甘えてしまったような気さえする。
震える携帯に視線を落とすと、右京のアドレスから
雅臣と絵麻ちゃんが幸せそうに二人で料理を囲んだ写真が送られてきていた。
一度恋をしてしまったら、
人はもう戻れないのだろうか。
無関心を決め込むしかないのだろうか。
言ってしまった言葉の数々を
自分の胸に楔として打ち込みながら、
重い足を引きずるしかない。
帰り道も、人生も。
fin