• テキストサイズ

夢やぶれて(ブラコン夢)

第1章 1


玄関先での優しげな手の掛け方、彼女を褒めた時の嬉しそうな顔、
彼女がよろめいた時の慌て方、
彼女が弥と仲睦まじくしていた時の切なげな表情。
初めて出来た妹、家族としての愛情ゆえかもしれない。
でもどうしようもなくわかってしまう。
人の心と向き合い続けた医者としての経験が。
なにより女性としての心や勘が、
そんなものだけではない、と主張を続けている。

「ねぇ雅臣。あんた、絵麻ちゃんのこと…」
「家族だよ。大切な、妹。それ以上でも…」

以下でもない。その言葉はでてこなかった。

「なに泣きそうな顔してんのさ」


気づきはじめてるくせに。
泣きそうなのはこっちもだ。
/ 22ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp