第3章 【慕う者】
「おいっお前っ、さっきの見たぞなかなかやるじゃねーかっ。」
「俺は志野っす、西谷先輩。」
「ハッ、先輩っ。」
「ノヤっさん落ち着け泣くなっ。ノヤっさんをいきなり泣かせるとは恐るべし。」
「俺は敬称をつけただけです、田中先輩。」
「ガハッ。」
「木下先輩、この方達ははたして。」
「ああほっとけ、即刻先輩って呼ばれて馬鹿みたいに感動してるだけだろ。」
「誰が馬鹿だああああっ。」
「お二方ともうるせーっす。」
「スンマセンデシタ。」
「おいっ、3年の権威っ。」
ったく、何で俺まであいつらに突っ込まなきゃなんないんだよ。あー、でも志野が田中と西谷黙らせたのはなかなかのもんだよな。
なんだかんだで練習終わってからの話だ。
「縁下、一応期待の人材が来たっぽいな。」
片付けをしながら俺は縁下に言ってみた。
「そうだな、でも俺の立場。」
「凹むな、敬意は払ってるみたいだから。」
「そうなのかな。」
「縁下、考えすぎ。」
成田に言われて縁下は少し落ち着く。
「くっそー、健吾もリベロ志望だったら良かったのによ。」
西谷なんかはいきなり名前呼びだ。
「レシーブなかなかだったよな。だがノヤっさん、気ぃつけろ、あいつ怒らせると間違いなく縁下並だぞ。」
「それやべえっ。」
「お前ら後で話がある。」
「ホギャアアアアアアっ。」
2年達も志野は気になってるらしくわいわい言っている。
「志野って何かおもしれーなっ。」
「うん、なかなか個性的だったね。」
「つーか、あれある意味天然だよね、面倒くさそう。」
「でもツッキーにも普通に喋ってたよね。」
「山口うるさい。」
「ごめん、ツッキー。」
「くそ、1年にまで語彙を突っ込まれた。」
「ブフッ。」
「笑うな日向ボゲェッ、てめーも一緒だっ。」
「んだとーっ。」
「まあまあ、日向も影山君も落ち着いて。」
まあ何と言うか、他の1年共々皆志野を受け入れているようでそれでいいんじゃないかとは思う。