第7章 勘違い。
なんでなんやろうやね。
それが分からへんから
頭の中に渋谷くんが
ずっと居るんやけど。
半袖から出た腕を
直接掴んでる手。
男の子にしちゃあ
そんなゴツゴツしてなくて
少し大きい。
(何だったら私のがゴツいかもしれん)
渋「うーわ、降って来よった」
錦「マジで?」
2人してピタッと足を止め
廊下の窓から空を見上げる。
いきなりやから
立ち止めるタイミングがズレて
腕と腕がぶつかるまでに縮まった
渋谷くんと私の距離。
これは流石にマズい。
周りにはこちらを見てる
女の子達がちらほら居るもん。
錦「ほんま気紛れやな、梅雨って」
渋「せやな」