第7章 勘違い。
朝の挨拶が飛び交う教室で
今日は本を読まずに
机の上で頬杖ついて
前の席の椅子を見つめる。
渋谷くんの言動や行動の意図を知ろうと
考えても解決どころか疑問が増えるだけ。
人の考えなんて聞かなきゃ分からへん。
(聞いても分かんなかったりするし)
「………………」
本人に聞くのが1番。
せやけど、聞いてばかりじゃあ
うっとおしくされそう。
友達になってやと言われた日に見た
あの表情が頭の中にこびりついてて…
家の場所を教えて貰えんくらいなんやから
質問攻めにしようもんなら
うっとおしがられるどころか
怒らせてまうやん。
止めとこ。
眉間にめっちゃ皺寄せてるのが想像つく。
「おい、コラ」