第6章 相合い傘。
渋谷くんが私に向けて持ってる黄色い紙パック。
それはいつも飲んでるバナナオーレで。
渋「間違えたから」
「え…?」
渋「要らんかったらえぇけど」
「や、要ります」
と、渋谷くんからバナナオーレを受け取る。
間違えたからって言うたけど
そんな素振りが一切無かったような…
気のせい?
って、そんな事より財布!
100円返さなきゃ!
慌てて鞄の中を覗く私の横で
小銭の入れる音
紙パックの落ちる音がして
振り返ったら
茶色の紙パックを持つ手が目に入る。
カフェオーレなんや。
(それ飲んだ事あるけど苦めのやつ)
やったら間違えたの意味も納得。