第6章 相合い傘。
渋「ここまで歩いといてなんやけど、家こっち側なん?」
「え、あ、はい。あそこのもうちょっと先の角を曲がったとこなんです」
と、いつもの通学路の途中にある茶色いレンガのマンションを指差す。
そこのマンションから
2つ目の角を曲がり少し歩いたとこにある我が家。
家から徒歩で行ける学校があって良かったわ。
で、マンションから家に着くまでの間に
紙パックの自販機が設置されてるんやけど
帰り道はそこでバナナオーレ飲むのが日課。
渋「そうなんや」
「渋谷くんもこっちなんですか?」
渋「せやで」
「えっ、どこですかっ!?」
もしかしてご近所さん!?
と、食いつく私を「どこやろな」なんて言いながら交わす渋谷くん。
秘密主義者なんかな。
まぁ、知られたくない事は
誰にだってあるし。
もし、ご近所さんだったら凄いなと思う。
やって、同じクラスで席が前後な上に
家まで近いなんて早々無いし。
と、思ってる間にも
茶色いレンガのマンション前を通過していた。