第5章 苦手なもの。
「え、や、その…」
渋「怖いんやろ?」
「こ、怖くな…」
怖くない、と言いかけてる最中に雷が轟き
フッと図書室の電気が消えた。
流石の強がりにも
こうアクシデントが続くと
限界というのがあって…
「っ…怖い、です…」
怖いのは怖いんやもん。
渋谷くんにそれを伝えたところで
雷が止む訳ちゃうけど。
馬鹿にして笑うなら笑えばいい…
という思いとは裏腹に
渋谷くんの手が私の左頬を包んだ。
渋「もっとはよ言うてくれたら泣かんで済んだんに…アホやな」
と、優しく微笑んで
目尻に溜まった涙を親指の腹で拭ってくれた。