第1章 後ろの席の彼。
「け、消しゴムですか?」
拍子抜けして
声が少し上擦る。
カ、カツアゲやなくて良かった…
渋「うん、ある?」
「え、あ、ありますけど…」
ハラハラした
この時間は
凄く無駄やったんや。
「ちょっと待って下さいね」
とにかく命拾いはした。
前向いて
ペンケースの中を漁る。
消しゴムなら
使えそうで使えなそうな
でも、実はまだまだ使える小さいのが…
って、コラ!
ちょっと待とうか、私。
そんな消しゴム渡してさ
消しにくいわ!って
怒らせたら…
「………………………」
はわわわっ。
そんなの渡しちゃ、絶対ダメ。
やったら仕方あるまい…
ここはお気に入りのこれを渡そう。