• テキストサイズ

初 恋 ア ン ブ レ ラ

第4章   勢揃い。


 「(雷が鳴る前までには止みますように…)」


なんて、どう考えても無謀な願いを
心の中で祈ってる間にも
何人ものの人が私の横を通り過ぎ
傘を差し帰って行く。

雨は止むどころか
どんどん強くなる一方ばかりで。

地面を叩きつけるように降る雨を見ていたら
後ろから賑やかな声が近付いて来る。






 「うわぁ、めっちゃ降ってるーっ!」


この高い声は
隣のクラスの安田章大くん。

錦戸くんの次に
教室で良く聞く声やから。

安田くんの声が聞こえたという事は
渋谷くんも居る訳で。


気付かれんように
玄関口のドアと靴箱の間へ移動し
息を潜めて存在を消す。

気分は忍者。
いや、女やからくノ一か。

見つかるのだけは勘弁…
と、ヒヤヒヤする私の視界を横切った人物。


それはやっぱり安田くんやった。
/ 256ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp