第3章 昼休み。
しばらくの間
本を読んでいたら
椅子の引く音が聞こえた。
前の席の人が登校して来たみたい。
それでも目線は本へ向けたままで。
後は、チャイムが鳴るのを待つのみ。
ページを捲ろうとしたら…
「何読んでんねん」
本を誰かに取り上げられてしまった。
その誰かとは渋谷くんの事で。
前の席の椅子へ
体を横に向けて座り
私から取り上げた本を
パラパラと捲り目を通してる。
渋「ふーん…こういうの読んでたんや、いつも」
「…………はい」
渋「読むなら官能小説やから、俺」
やったら何なんだ。
興味が無いなら返して。
なんて声には出されへんけど。