第10章 片想い同盟。
「照れてくれてるんかな…」
そんな感じには見えへんから
照れてる、って言われても
違和感しか無い。
やけど、実際に
顔を赤くさせてるとこも
見てる訳で…
香絵ちゃんの隣の鏡の前に立ち
自分と見比べる。
綺麗にメイクされた
ぱっちりな目。
つやぷるな唇。
ふわふわに巻いた髪。
「香絵ちゃんになら分かるんやけどなぁ…」
香「何がよ」
「照れるの」
と、揃った前髪を
適当な位置で分けてみたり。
香絵ちゃんと違って
下ろしっぱなしの髪。
常にすっぴんな目。
リップしか塗ってへん唇。
照れて貰えるような要素は全く無し。
「やっぱり似合わない…」
分けた前髪をササッと払い元に戻す。
何したって様にならないんやもん。