第10章 片想い同盟。
「確かにそんなイメージあるけど…」
香「つまり、そういう事やん」
「…………へ?」
香「あんたが犬系女子って事よ」
「わ、私っ!?」
香「だいたい他に居らんやん、渋谷と話す子なんて」
「………………」
確かにそうなんやけども…
言われるとなんか恥ずかしいやらなんやら…
それに私、犬要素あらへんよ。
しっぽなんか無いし
顔はたぬき。
香「納得いかへん?」
「納得っていうか…犬ちゃうもん、私」
香「まぁ…あんたと居る時の渋谷はめっちゃ優しい顔してるし」
「えぇっ!?」
香「どう見たって両想い」
「えっ、ちょ、そ…無い!絶対無い!」
香「何でよ」
「や、やって、渋谷くんいつも睨んでるっていうか…怖い顔してるで!?良く顔逸らされるし」
香「照れてるんやろ、それ」
なんて笑いながら
鏡に視線を戻し
グロスをまた塗る香絵ちゃん。
そんなの聞いたら
期待しちゃうやんか。
渋谷くんと両想いなんかな…って。
そうやったら嬉しいんやけどさ。