第9章 好きなタイプ。
ゲーセンでするような話ちゃうよね…
なんて思いながらも
またベンチに腰掛けて。
ふ、と目に入った光景は
太鼓のゲームをする大倉くん
と、大倉くんを見つめる香絵ちゃん。
こうやって傍から見て
お似合いやなぁ…と思われたいな、私も。
渋「………どっちから言う?」
「え、あ、それは渋谷くんからでお願いします」
渋「は?そっちからやろ」
「え、」
じゃあ、なんでどっちから言う?なんて聞いたの。
というか、これ告白になっちゃうんじゃ…
え、ちょっと待って。
(なんかめっちゃ緊張して来た)
「や、そこは、渋谷くんからで…」
渋「いやいや…俺は後でえぇし。言わへんならペナルティー」
「なっ、それズルいです!」
渋「えぇから言うてや、ちゃっちゃと」
「………………」
渋「………………」
「………………」
渋「………………」
「……名前を、ですよね?」
渋「…………せや」