第9章 好きなタイプ。
言える訳無いやん!
私が好きなのは渋谷くんです、なんて。
言うたら「ふーん…」って返されるだけなのが分かるもん。
「聞いたって興味無いですよね…?」
渋「興味?」
「はい」
渋「無かったら聞かんわ」
「………えぇっ!?」
渋「何やねん、立ち上がってまで驚く事ちゃうやろ」
ふ、と笑いながら
ベンチに座ったまま
私を見上げる。
一瞬、無言で見つめ合い…
渋「で、知りたい?俺の好み」
「はい、」
渋「………というか、好きな奴」
「え、あ…いや、はい」
渋「どっちやねん」
「し、知りたいです!渋谷くんの事もっと!」
渋「…………もっと…?」
「え、や、と、友達、としてですよ?」
渋「え?あ、せ、せやんな」
「はい…やから教えて下さいよ」
渋「………分かった。教えるから俺にも教えろや?」