第9章 好きなタイプ。
渋「……めっちゃ聞きたい事あるんやけど」
「何ですか?」
渋「なんで俺の好きな奴が中原になんねん」
「へ?や、話してる時もすごい仲良さそうですし…香絵ちゃんモテるから、きっとそうやろうな…って」
渋「それだけか…?」
「…………昼休み…香絵ちゃんを見て微笑んでました」
渋「俺が?」
「はい、」
返事をすれば
眉間に皺が寄り
目線が外された。
難しい表情の横顔を
見つめれば
その視線の先には
やっぱり香絵ちゃんが居て。
じゃんじゃら、と
騒がしい周りの音なんか
全然耳に入らない。
全神経が渋谷くんへ。
こんなに近くに居ても
お互いの気持ちは
向き合ってなくて…
その事実に胸が痛くなるのは
やっぱり渋谷くんに
恋をしてるからよね?