第9章 好きなタイプ。
「………すみません…」
渋「え?」
「やばいですよね…男の子の名前呼んだ事ないのは…」
男の子の名前を呼ぶなんて
そんなの今まで意識した事無かった。
やばいって言われても仕方あらへん…
香絵ちゃんみたいに
男女隔て無く接せられたら
名前を呼ぶのも
普通に出来たのかも。
「変ですよね…」
渋「あ、いや…変とかやなくて、その…」
何か言いたそう。
でも、言い難そうな…表情。
何を言われるのか
ビクビクしてたら…
渋「俺が初めてってのが」
「はい、」
渋「嬉しいっちゅー事やねんけど」
「………へっ?」
渋「やばい、の意味」
「えっ!?」
思っても無かった答えに
上擦った声が出る。
う、嬉しい…!?