第9章 好きなタイプ。
顔を覗き込まれてるから
渋谷くんは自然と上目使い。
余計に大きく見える目を
見つめながら
頭を横に振って…
「………あかんくない、です」
渋「なら呼んで、」
「っ、ちょ、ちょっと待って下さい」
渋「無理」
「む、無理って…私も無理です。男の子を名前で呼ぶの慣れてないから恥ずかしくて…」
渋「………そうなん…?」
「は、はい、」
渋「………やばいな、それ」
嘘やろ?とでも言いたそうに私を見る。
やっぱり"やばい"んやね…
そりゃあ高校2年で初めて恋してるし
これが果たして恋なんかと聞かれたら
そうです!って言える自信はなくなった。
だって分かんない。
恋そのものが何なのか。
(今更なんやけどね)