第9章 好きなタイプ。
「あ、あのお金を、」
渋「言うたやろ?女から金を巻き上げる趣味は無いって」
なんて言いながら歩き出す。
その後を着いて行き
さっき座ってたところとは違う
奥の方に設置されてるベンチへ。
少し薄暗いそこは
あまり人目のつかないところで。
先に座った渋谷くんが「ここ」と自分の隣へ座るよう私に手招きする。
「失礼します…」
静かに隣へ腰を落とせば
体と体の距離を縮められ
ドキッとした。
恐る恐る顔を見たら
真剣な目をしてて…
凄く格好良く見える。
「し、渋谷くん…?」
渋「………………」
何も言わずにただ無言で見つめられる。
表情に怖さが加わり
どうしたら良いのか分からなくなった。