第9章 好きなタイプ。
「(バッ、バナナオーレ!)」
慌てて立ち上がり
その自販機前へ立つ。
見つけると飲みたくなるねん。
鞄から小銭入れを取り
お金を出してたら
後ろに人が立ってる気配が。
「あ、す、すみません、」
他の人が買うんやと思って自販機前から離れたら「昼飲んだんにまた飲むんか?」と笑いを含んだ声。
振り返れば渋谷くんが居て
驚いて思わず背筋が伸びる。
そんな私の横へ立ち
自販機にお金を入れて
当たり前のように
バナナオーレのボタンを押した。
ガシャン、と音がした後に
屈んでバナナオーレを取り出す。
今のは明らかに間違えてへんよね。
渋「ん、」
立ち上がって私へ
バナナオーレを向ける。
受け取れって事でえぇんかな…?
渋「要らんのか?」
「……要ります」
渋「ほんならはよ取れや」
「は、はい…」
なんか分からんけど
めっちゃ怒ってる。