第9章 好きなタイプ。
「…………………」
ジャンジャラ、騒がしい周り。
ここはゲームセンターで。
1人、自販機が近くにある
ベンチに座ってたり。
ゲーム音痴が来る場所ちゃうもん。
(とてつもなく場違い)
断るにも渋谷くんに手を繋がれたから
どうしようもなくて。
香絵ちゃんは
ノリノリで大倉くんに
着いてっちゃった。
行動力あるなぁ、ほんと。
「(そりゃあ、渋谷くんも好きになるわね…)」
ハキハキしてるし
ノリも良いし
嫌われる要素なんか何もない。
全く正反対過ぎて
なんで私なんかと
友達になってくれたんやろ…
と、香絵ちゃんを疑問に思う。
「(はぁ…)」
本来なら、ライバルに負けんように
努力するところなんやろうけども…
相手が香絵ちゃんやから
全く勝てる気がしない。
そもそも勝負しようって気が起きない。
相手が香絵ちゃんやなくても。
それに指名が入ってるって言ってたけど
誰が私を指名するんや、という話で。
きっとそれは錦戸くんの気遣いの社交辞令なんやろう。