第9章 好きなタイプ。
そうやとしたなら
色んな矛盾点が出て来る。
やから嫌われてるって事は
あらへん、と思うの。
自意識過剰やけども…
やとしたら
何故に私は後ろ頭ばかり
向けられなくちゃあかんのやろ。
錦「ほーら、もうこっち見なあかんて。嫌われてるって泣きそうな顔してんで」
と、錦戸くんに言われて
振り向いた渋谷くんが見たのは
香絵ちゃんじゃなくて私。
その表情は、どことなく焦ってる感じがあって。
渋「ちゃうからな!嫌ってるとかやなくて…」
「え…?」
渋「その…なんつーか…」
錦「はい、終了ー!」
渋「は?」
錦「みんな待ってるから行くで」
香「何処によ」
錦「着いて来たら分かる。やから続き言うんは2人の時にして」
「(2人の時って…)」
自分の中で沸々しだした期待が膨らんでく。
そんなはずあらへんけどね。
やって、渋谷くんは香絵ちゃんが好きなんやから。