第9章 好きなタイプ。
丸山くんの一言で
お弁当の蓋を持つ手が止まる。
顔が赤い?
なんで?
渋谷くんが赤面する要素なんか
どこにも無かったのに。
顔を背けられてる事も忘れ隣を見れば…
「っ…、」
耳まで真っ赤な顔と目が合った。
途端に片手で顔下半分を隠され
目線も少し下へ落とされる。
赤面してるところを見るのは
初めてちゃうのに
何だかそわそわするのはなんで?
渋「…………あんま見んなや、」
「え、あ、す、すみません…」
またもや後ろ頭を向けられる。
香絵ちゃんを好きなのは分かってるんやけどさ…
耳まで真っ赤にされると
もしかしたら
本当は香絵ちゃんじゃなくて…
渋「さっさと飯食え、」
「は、はいっ」
私なのかな?と
自意識過剰になった昼休み。
(そんな訳あらへんのにね)