第9章 好きなタイプ。
「ありがとうございます…あ、お金、」
大「えぇよ、えぇよ。その代わりお願い聞いてくれへん?」
「お願い、ですか…?」
大「うん」
「何でしょう…?」
大「すばるくんの機嫌直したってや」
「へ?ど、どうやって…」
責任取って、とか
機嫌直したって、とか。
私がそうしたところで
余計に機嫌損ねるだけな気がする。
それに私より香絵ちゃんの方が渋谷くんの機嫌直るんじゃ…
大「ちょっと耳貸して」
クイクイ手招きされ
髪を耳にかけて
大倉くんに向ければ
コソッと耳打ちをされる。
「なっ、む、無理です!」
大「絶対大丈夫やから」
お願い、と手を合わせ
小さな声で言われて。
耳打ちされた事を
やったところで
渋谷くんの機嫌が
直る訳ないのに…
と、思いつつ
渋谷くんの元へと近付いてく。