第9章 好きなタイプ。
大「ごめーん!めっちゃ混んでたから遅なって……あれ、どうしたん?拗ねてるやん」
渋谷くんの様子を見ながら
近くの机に両手いっぱいのパンを置いてく。
そんな大倉くんを
見つめてる香絵ちゃん。
そして…
渋「拗ねてへんわ。何回言わせんねん」
声まで不機嫌な渋谷くんは
チラッとこっちを見る。
やけど目は合わなくて。
どこを見てるのか
その目線を辿れば
私の後ろで
大倉くんをさりげなく
目で追い掛けてる
香絵ちゃんの姿が…
「……………………」
なんだ。
そういう事か。
大「あ、さん。これ頼まれてたやつ」
「え、」
ニコッと微笑みながら
バナナオーレをくれる。
好きで堪らないのに
今はそれどころじゃない。