第2章 見た目。
渋「…………何?」
静かに振り返った顔は
機嫌悪そうで
怒っているように見えた。
呼び止めた事を少しだけ後悔。
でも、謝りたい。
消しゴムを返しに来ただけやのに
お金なら渡す、とか
殴らないで、なんて言われたら
誰だって気を悪くするやん。
渋「はよ帰りたいねんけど、雨やから」
「あっ…」
確か、苦手って言ってたっけ。
機嫌悪そうなのは
雨のせいなんかな…?
なんて思ったけど
だからと言って
それで謝らなくていい、とはならない。
少なからずとも
私の態度や発言は
渋谷くんの気分を悪くさせてるはず。
「ご、ごめんなさい!」
渋「………何が?」
「そ、その消しゴム…わざわざ返しに来てくれたのに失礼な事言っちゃったし…怖いと思ってて…」
別に、何かをされた訳でも
言われた訳でも無いのに
見た目と周りの噂だけで
判断はするもんじゃない。