第9章 好きなタイプ。
そんな声出してまで"友達"に執着する
渋谷くんの考えなんて分からへん。
別に私じゃなくったって…
そう考えれば
キュッ…と胸が痛む。
「…………友達より彼女を優先すべきかと思いますが」
渋「は?誰やねん、彼女って」
「え、だ、誰って…後ろ、」
トイレの前で私達を見てる
ケイコちゃんへ目線を向ければ
渋谷くんも後ろを振り返ったんやけど
直ぐに私の方へ目線を戻して…
渋「彼女ちゃうわ。そもそもああいう女はタイプちゃうし」
「えぇ!?」
渋「なんでそんなに驚くねん」
「や、だって…渋谷くん好きそうですもん。美人を…っていうか好きですよね」
渋「…………まぁ、昔は好きやったけど。今は全然ちゃうわ」
「そうなんですか」
ならひと安心。
美人がタイプやないって知っても
何の望みもあらへん恋に代わりは無い訳で。