第9章 好きなタイプ。
「な、何ですか」
渋「何ですか、やあらへんわ。どういう事やねん、友達辞めるって」
「そのままの意味ですが」
渋「なんで辞める言うねん、って聞いとんねや」
そう問い掛ける渋谷くんの息は上がってて。
しんどいはずやのに
なんで走ったんやろ?
と、上下に揺れる肩を見つめる。
渋「………またさせてもうたか?」
「へ…?」
渋「何したか、何言うたんか…全然思い当たる節はあらへんけど…嫌な思いさせたんなら謝るから…」
揺れる肩から顔へ目線を移せば
一瞬だけ目と目が合う。
肩にあった手がスッと降りて
重なり合っていた視線も外された。
渋「友達辞めるって言わんといてや…」
そう呟いた声は小さくて弱々しくて。
何だか悪い事したみたいで
胸の中が罪悪感でいっぱいになった。