第9章 好きなタイプ。
「(よしっ…)」
4時間目、理科の授業が終わり
そそくさと教科書やノートを片付けたら
お弁当を持って香絵ちゃんの元へ!
と、立ち上がろうとした私は
やっぱりというか案の定…
渋「待て」
後ろから襟元を掴まれる訳で。
どなたか渋谷くんに
普通の呼び止め方を
教えていただきたい。
下手したら首締まるからね、これ。
「…………何でしょうか」
渋「図書室?」
「はい」
渋「あかん、音楽室にせぇ」
「ダ、ダメです!香絵ちゃんとガールズトークするんですから!離して下さい!」
渋「ちょうど良かったわ。頼まれてたし」
何がちょうど良かったのか。
誰に何を頼まれたのか。
主語無さ過ぎて
理解出来へんのやけども。
香「ちょっと渋谷。を返しなさいよ」
渋「無理やな、音楽室連れてくから」
香「さっき十分堪能したでしょうがっ!」
渋「足りてへんわ。それにお前も来い、指名入っとんねん」
香「指名って。ホステスちゃうで私」
渋「えぇから来い」