第9章 好きなタイプ。
渋「そんなん今更やん」
もうほんとそれ。
おでこにキスされてるんやから
距離が近いとか騒ぐのも可笑しい話。
けど、こんなに近付くのも
また可笑しな話で。
「で、ですが…ちょっと近過ぎてます」
渋「友達なんやからえぇやん。中原ともようくっついてるやろ?」
「そ、そうですけど…香絵ちゃんは女の子で渋谷くんは男の子じゃないですか」
渋「やから離れろって?」
「はい、」
渋「無理」
「…………へ?」
渋「男女差別はあかん。人類みな平等やからな」
「はぁ」
渋「それよか続きめっちゃ気になるし、とりあえず座れ」
と、無理やり座らされたのは足の間で。
不慣れな体勢と
雷の日の事を思い出して
ドキドキし始めた私と違い…
渋谷くんは私を後ろから包み込んで
三角座りしてる私の膝に本を乗せ
続きを読み始めた。