第9章 好きなタイプ。
気付けば窓に
雨粒が打ち始めていて。
今日の天気は
私の心を表してくれてるんかも…
渋「降って来よったな、」
そう言いながら
窓の方を見た後ろ姿へ
目線を移す。
渋谷くんは
どんな子が好きなんやろ?
なんて疑問が
ふと湧いて。
見ただけで
守ってあげたい!って
思うようなか弱そうな子、やなんて
勝手に渋谷くんの好みを決めてみる。
(なんかそんな感じがするもん)
渋「………ちょっとくれへん?」
「な、何を、」
渋「それ」
と、指を差したのは
私の手にあるバナナオーレ。
思わず、渋谷くんとバナナオーレを二度見。
「………甘いのダメなんじゃあ、」
渋「しゃーないやん、それしか買うてへんねんから」
「……………………」
しゃーないなんて言うなら
なんで自分が飲めるの
買わへんかったんよ、って話で。
やっぱり渋谷翻訳機…
いや、渋谷辞書が欲しいかも。
意図が分からなさ過ぎる。