第9章 好きなタイプ。
「…どうぞ」
自分が口にしたのを
差し出すのはドキドキする。
無意識やったら良かったなぁ…
尋常やないくらい
心臓のドキドキが凄いもん。
渋「ん、どうも」
ヒョイッとバナナオーレを持ってかれ
ストローが咥えられる。
………間接キスや。
さっきからしてるドキドキの理由は、これ。
やって初めてやもん。
男の子に飲みかけを飲まれるの。
渋「…………あまっ…」
ストローを離したかと思えば
顔を顰めて不味そうにする。
やったら飲まなきゃえぇのに…
渋「めっちゃバナナやん、」
険しい顔でパックを見つめてる。
バナナオーレなんやし
バナナ以外の味したら
それはもうバナナオーレやない!
と、言える仲になれるのは
いつの話になるんやろ?
なんて考える
初めてのサボり時間。